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執筆者の写真osaka

東京⇔軽井沢デュアルライフを楽しむ家

2021.7竣工 南ヶ丘T邸

週末は軽井沢

リビングで自然の心地よさを感じ

新鮮な食材をそろえてキッチンに立つ

夕暮れとともに薪ストーブを囲み

土間サロンでワインを楽しむ

彩り豊かな暮らしは

四季を快適に過ごせる

この軽井沢の家があるからこそ

軽井沢南ヶ丘の邸宅

淡いグレーの塗りの外壁(ジョリパット)をメインに、スギ板やタイルでシックに仕上げた外観。南側に多く取られた開口部から、庭全体に温かみのある光が漏れる。木立に囲まれ、ライトアップされた夕暮れの時間は、ここだけ別世界のように美しい




土間の薪ストーブに火を入れる、お気に入りの週末


■軽井沢だから実現した感性に響く上質な家

 R18号沿いという好立地ながら、木立に囲まれた閑静な一角に建つT邸。海外暮らしなどを経て東京のマンションを拠点にしていたTさんご夫妻が、「愛犬と夏場を涼しく過ごしたい」と建てたセカンドハウスだ。もともと軽井沢に土地勘があり、コロナ禍でTさんがリモートワークになったことも大きな契機となった。

 工房信州の家を知ったのはウェブから。「最初の問い合わせがお盆中だったのですが、快く対応してくださって。軽井沢の展示場が私たちの感性に響き、即決でした」とご夫妻。特に気に入ったのは広々としたオープンキッチンや薪ストーブのある土間サロン、機能的なWICなど。軽井沢展示場をベース案に、ほぼおまかせで設計図を書いてもらうことから計画が動き出した。

アイランドキッチン

ウッドデッキの向こうの庭が一望できる、開放的なアイランドキッチン。「ここに立つと、自然とつくりたいものがあふれ出てくるんです」と話す奥さまは、手慣れた様子で料理を始めた。以前のアメリカ暮らしでオーブン料理の便利さと美味しさを知り、ガゲナウ社のビルトインオーブンを導入

開放的な吹き抜け空間

■自然とともにある暮らしでウェルビーイングを叶える

 取材で訪れたのは2月だが、家に入るとすみずみまで小春日和のように暖かい。冬は太陽の温もりを取り入れてふんわり暖かく、夏は木陰にいるように涼しく過ごせるのは、同社独自の「エアパスソーラー工法」のおかげだ。「調湿効果も高いので、湿気の多い軽井沢にぴったり。不在がちな別荘でも、空気が淀んだ感じがしないんです」。ご夫妻はその効果を毎週のように実感している。

 無垢材や珪藻土など随所に上質な自然素材がふんだんに使われ、品格ある佇まいのT邸。仕上げだけでなく、構造材が100%長野県産材なのも特徴だ。「オーナー自身が森で木を選べるのも、伐採に立ち会って木が倒れる振動に感動できるのも、工房信州の家だからこそ味わえる家づくりの醍醐味」と思い出を話してくれた。

 「ここでの楽しみはワインを飲みながらのオーブン料理」とキッチンでにこやかに話してくださった奥さまと、「ここをベースに県内各地でスキーをしたい」という楽しみをお持ちのご主人。誰もが憧れるウェルビーイングな軽井沢スタイルが、ここにあった。

スキャンサーム薪ストーブ

ワインセラーと造作のソファーを備えた、くつろぎ感満点の土間サロン。薪ストーブは、両側から炎を眺められるドイツ製スキャンサーム。「炎や庭の景色を眺めながら、大好きなナパのワインを楽しんでいます」とTさん



「内」と「外」を使い分ける絶妙な動線設計

プラン

オーバースライダー付きのガレージは住居一体型のビルトインタイプ。雪下ろしの必要がなく、荷物の出し入れや雨の日の移動も快適。ビルトインのガレージからシューズクローク、玄関へとつながる動線は回遊でき、玄関ホールを中心に外と内がゆるくつながる。自然と寄り添う軽井沢の暮らしには、アウトドアガジェットを気軽に置ける土間収納が便利。冬は「東京から帰ってきたらまず雪かきですね(笑)」

シューズクローク
オーバースライダーのガレージ

ホーリーな空気が漂う玄関ホール。ポーチの床は諏訪地域特産の鉄平石を方形敷きに、壁は一部をタイル張りにし、スタイリッシュに仕上げた。

工房信州の家の軽井沢展示場でひと目見て、「そのまま採用したいとリクエストしました」というWICは奥さまのお気に入り。収納容量は両側の壁全体と中央のチェストにたっぷり。引き出しには防虫・防湿効果の高い桐などを用いた。

玄関ホール
ウォークインクローゼット

玄関ホールから寝室へと一直線に続く廊下。左右の窓から入る木漏れ日が、ギャラリーを訪れた時のような非日常気分を盛り上げる。 

シックな色合いにミニタイルをあしらった、クラシカルな雰囲気の洗面室。ダブルボウルでゆったり使えそう。

ギャラリー廊下
2ボール洗面台

自然光に包まれるリビングで、大切な友人との時間を楽しむTさんご夫妻。無垢のフローリングは床暖房におすすめのヤマザクラを使用。

大きな窓から差し込む木漏れ日が、リビング全体をあたたかな色に染める。「シェフになった気分で料理ができる」というアイランドキッチンは、トーヨーキッチン製。背面収納や小窓とのバランスも美しい

大切なゲストを招いて
トーヨーキッチン


“ 暮らしを楽しむ”  タノシム 3つのヒント


POINT 01 お気に入りのワインのある暮らし

ワインセラー
板壁と鉄平石の土間サロン

「アメリカのナパに駐在時、ワイナリーを巡って買い求めたものをストック。ちょうど飲み頃のものもあり、普段からワインを楽しんでいます。土間サロンはリビングとまた違う雰囲気が楽しめるのがいいですね。薪ストーブの炎や庭を眺めながらワインを飲みたくて、土間をつくりました」

リビングから一段下がった土間サロンは、こもり感のある特別な場所。板壁や鉄平石の床にブラケットライトの灯りが落ち、美しい陰影をつくる。


POINT 02 マインドフルネスな時間を過ごす

ヨガスタジオ

「最初は夫の書斎になる予定だった部屋を1階に移動したので、この空間をどう使おうかと夫婦で話し、鏡張りのスタジオにしました。ヨガや筋トレをする時は、集中できるこの部屋がぴったり。隣の部屋にはサウナがあり、その日の気分で体調を整えています。2階はゲストのための和室とサニタリールーム、ウォールミラー付きトレーニングルームにサウナと、プライベートを大切にした空間になっている


POINT 03 木々を眺めながらリモート会議

リモートワーク書斎

「書斎はウッドデッキを望める1階の寝室脇に。『棚は天井までたっぷりの容量が欲しい、机はコの字型に』などのオーダーをもとに造作してもらいました。リモートワークをする時、ここは書類が広げやすく片付けもしやすい。一日中いても集中できる、私のお気に入りの場所です」




1.TV背面にある階段や左側の寝室等に続くプライベートエリアは、一段高くなった大理石の床でゆるく仕切る仕掛け純白のアクセントウォールと格子の組み合わせなど、目に映るものすべてが美しく、暮らしを豊かに彩る 

2.3.ゲストルームとして使っている2階の和室。タイルをあしらった、新感覚の床の間が粋。よしず天井や柿渋の襖といった伝統的な自然素材が使われ、経年変化も楽しめそう 

4.自然光と間接照明でチルタイムに浸る寝室。余計なものが一切ないミニマムなインテリアとLDKから奥まったレイアウトから、離れのような雰囲気

5.南と西に大きく開いたハイサイドライトにより、2階の廊下も胸がすくような開放感。心赴くまま、時間の移ろいを眺めていたくなるよう 

6.階段ホールの壁はスリット格子のアクセントウォールにしつらえ、あたたかみと上質感、隠れ家的な雰囲気を演出

7.石張りと木製玄関ドアが重厚かつ上質なデザインを演出し、軽井沢邸宅へと出迎えてくれる




ー Housing Data ー


家族構成/夫、妻   施主/56歳・会社役員   

竣工/2021年7月   構造・工法/木造軸組工法   工期/10カ月


[外部仕上げ]

屋根/ガルバリウム銅板   外壁/ジョリパット、一部板張り、タイル張り


[内部仕上げ]

1F  床/無垢材(ヤマザクラ)、一部大理石

   壁/珪藻土、一部板張り

   天井/珪藻土、一部板張り

2F 床/無垢材(ヤマザクラ)、一部大理石

   壁/珪藻土、一部板張り

   天井/珪藻土、一部板張り


柄沢

ー Builder‘s Eye ー


工房信州の家/株式会社フォレストコーポレーション

軽井沢支店マネージャー 柄沢忠祐


「自然素材の家をつくりたい」というTさまご夫妻に、信州の自然環境に寄り添った暮らしがコンセプトの「工房信州の家」をご提案いたしました。内と外をつなぐ土間サロンは良い意味で曖昧な空間であり、自由自在に使える場所。自然とつながるアクティブな休日を過ごしたい、ワインセラーを置きたい…というご夫妻にぴったりの場所になりました。

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