サードオフィス導入企業様┃2022/4/10
Vol.01
古畑成一さん
株式会社免震テクノサービス.代表取締役
新しい発想で時代の波を乗り越えていける組織づくり。
企業発展に貢献するサードオフィス。
今回の対談はサードオフィス推進本部の柄沢と、横浜市に本社を置く株式会社免震テクノサービス代表取締役の古畑成一社長のお二人。
現在、軽井沢に建設中の『免震テクノサービス様サードオフィス』がいよいよ2022年8月の完成を前に今の心境をお聞きしました。
サードオフィス導入に踏み切った理由とその経緯、軽井沢の魅力、未来の会社のこと、免震業界のこと、さまざまなテーマで語っていただきました。
※2022年4月10日、フォレスコーポレーション『軽井沢サードオフィス』にて
1サードオフィス導入のきっかけは?
フォレストが2019年秋から展開を始めた『サードオフィス』ですが、古畑社長はいち早くご興味をお持ちになり、問い合わせを頂きました。そこに至った経緯から教えてください。
古畑社長:2022年に会社創業20周年を迎えるのを機に新たな拠点を展開したいと、3年前の2019年1月から漠然と考え始めていました。熱海、那須塩原、軽井沢など、インターネットでの情報収集や不動産業者さんに足を運んで情報を集めていたんです。
最終的に軽井沢の決め手は、企業価値の向上もありましたが、やはりBCPの観点、そして北陸新幹線でのアクセスの良さでした。神奈川〜静岡は東海東南海地震などの地震や津波の懸念、富士山に関するリスクが少なからずあります。その点、軽井沢は地震・風水害が少なく、浅間山の噴火のリスクはハザードマップ上で避ければ良いのではと考えました。
柄沢:都心から近いというのはBCPの観点からも軽井沢の大きな魅力のひとつですよね。また、環境をがらっと変えて非日常空間に身を置くこと
によって想像力が掻き立てられ、インスピレーションが湧きやすくなる。対話から自然と本音も出やすくなると考えています。
古畑社長:そうですね。だから、この環境・施設に期待しているんです。私が大事にしたいのは、社員や支えて頂いている方々と落ち着いてコミュニケーションをとること。そして、同じ価値観のある方々と繋がりを持てる環境のあるエリアだと確信したから。
軽井沢に来るようになって、ある時、インスピレーションを受けたことがありました。それが、『旧軽井沢のラウンドアバウト』を通った時なんです。
柄沢:それは、六本辻のラウンドアバウトのことですか? 一体どんなインスピレーションを受けたんですか、興味深いですね!
古畑社長:海外や他県にも同様なところは多くありますね。これまで、仕事の折に他県のラウンドアバウトを通ることがありましたが、「六本辻のラウンドアバウト」は6方向それぞれの道からこの交差点にアクセスして、ぐるっと回って各方々へ走り去っていきますよね!?
まさに、軽井沢でいろんな方との出会いや交流を象徴する交差点だと感じ、当社に例えるとメンバーは日々、各地に散らばって業務をこなしていますので、ここ軽井沢に各地から集まり、周回(交流)しながら関係を醸成するイメージが湧いたんです。
柄沢:なるほど、たしかに出会いの交差点ですね。軽井沢の『サロン文化』を象徴するような! それにしても軽井沢はお詳しいですね。以前からよく来ていたんでしょうか??
古畑社長:いえ、実は、全く軽井沢のことは知らなかったんですよ・・・。旧軽銀座商店街と「ショッピングプラザ」くらいしか・・・。(笑)
柄沢:それでは、当社のサードオフィスはどうやってお知りになったのでしょうか。
古畑社長:当初は軽井沢の不動産情報をインターネットで収集してから、現地の不動産屋さんに足を運びました。そんなある日、インターネットで、フォレストさんのYouTubeを見たんです。本当に偶然でした。十数年前に免震住宅を建設されたフォレストさんに行きついたんです。アレッ、もしかしてって。ホームページを良く確認しました。その時、サードオフィスの動画を拝見しまして、リアルに会って働いたり、もてなしたりすることで社員との繋がり、社員同士の横の繋がり、そして、支えて頂いている方々との繋がりを強固にすることが出来ると確信し、まさにコレだって!サードオフィスという、コンセプトに感銘を受けたんです。
柄沢:それが御社のサードオフィスを開設しようと決断された理由・目的だったわけでしょうか?
古畑社長:目的は何かって言われたら、やっぱり小澤社長(フォレストコーポレーション代表取締役)のおっしゃってる事はその通りだと思うんです。一番は「社員と社員同士」・「社員と経営者」の相互理解のため。普段と違う自然豊かな環境で気分転換ができて、いいアイディアも価値ある物が生み出せるだろうと。そして、創業から長く大変な時期が続きましたが、これまで様々な機会に接点(ご縁)があり、支えて頂いている方々とのより強い関係性を築きたいと考えています。
2圧倒的な現場経験が若手スタッフの自信へ。そして組織化の課題も
―古畑社長には、18年ぐらい前に松本市の免震住宅で免震装置の設置でお世話になりました。そもそも免震テクノサービス様はどのような事業をされている会社かあらためて教えて下さい。
古畑社長:「免震建物」の検査・点検・維持管理を専門に行う会社です。国内には従来の耐震設計で建てられた建物が多くあります。(以前の話になりますが、)1995年の阪神淡路大震災の時、すでに建設されていた免震建物が無傷であったことが報道され、現在では、主に庁舎・病院・事務所・集合住宅・工場・倉庫・研究施設など大型建物に採用されています。住宅を含めますと、2020年までの累計で約1万棟になりました。巨大地震リスクが上昇する昨今、都市防災という観点から免震建物の採用が増えています。私どもは多くの設計や施工の技術者の生み出した免震建物を川下から検査・点検という形で、いざという時にしっかり機能するための保守・維持管理で貢献したいと考えており、そこにやりがいと責任を感じています。
柄沢:本社は横浜とのことですがサービスエリアは全国になりますか? 長野県にもよく来られるのでしょうか。
古畑社長:現在、横浜と大阪を拠点に日本全国の建物検査・点検に伺います。年初には3名が入社し、お蔭様で私もスタッフも忙しく全国を飛び回わらせて頂いています。長野県では、庁舎を始め、総合病院・消防署・事務所・集合住宅・工場・倉庫など棟数も増えてきました。
―若い社員が活躍されていて、離職率もずいぶん低いとお聞きしました。社員教育に秘訣があるのでしょうか?
古畑社長:ほとんど辞めないのは、「居住者の安全と財産を守る、安心を支える免震」の魅力と仕事に、やりがいを感じていると思うんですね。
建物検査・点検の仕事は専門の資格取得が必須になり、当社の社員もほぼ毎年資格を取得していますが毎年数百人が全国から参加します。
若い社員が取得試験に参加する際(コロナ禍前の話ですが)「この会場に来るのは免震業界で装置メーカー・設計・施工などの分野で活躍されている年上の方ばかりで、あなたはおそらく一番年齢が若いと思う。でも、ほぼ毎日建物の地下で装置を見てきた実績は、間違いなく一番だよ』なんて話すんです。また、『実務経験を多く積んでいれば、業界の年上の方からも頼ってもらえるんだよ』と言って、送り出しますので、気が楽になるようですね。
柄沢:それは若手スタッフの強い自信になりますよね。この一年でこんなに知識・技術を身に着けてたんだ!って。
古畑社長:実務と資格が密接につながりやすい、そういう立場で仕事ができる。それで自信とやりがいが持てる!! と言うこともあるのだと思います。
―会社の業績とともに社員が増える中で、今まで以上に組織化の悩みが出てきたようですが・・・
古畑社長:お蔭様で様々な方からご紹介も多く頂けるようになり、年々、維持管理のお手伝いをさせて頂く件数が増えてきています。しかし、業務に追われる毎日で毎年体制を見直し改善はしているのですが、十分ではないんですね。そのような状態だと、十分なコミュニケーションも取れず、更なるサービスの向上や社員のやる気を高め、定着率を維持するためにもサードオフィスを使って社員同士の強固なつながりを保ちたいと考えたんです。創業20年を機に新たな拠点を設けることで、多面的に実現できるのではないかと考えています。先ずは社内の「横のつながり、縦のつながり」が重要だろうと。
柄沢:社員さんも期待されていると思いますが、どのように使ってもらいたいですか?
古畑社長:オフィス棟だけでなく、住居棟も併設しているので、全国飛び回っている隙間時間に利用してもらえたら良いですね。20代の社員が多いので、軽井沢らしいカーリングなどのアクティビティを体感してもらいたい。木々にハンモックをかけて自然の中で揺られてみたり、森の中を散歩してみたり、秋は登山や紅葉を楽しんだり、冬はウインタースポーツや、薪ストーブがありますので薪割りとか、後は土間パーティーですね。チームでやったら、結束力が高まること間違いなしですから!
3企業文化の醸成 と 企業の物語り
―創業20年の節目に新たな拠点を持とうとされています。免震テクノサービス様の新しい物語りが始まりますね。
古畑社長:このタイミングで、こんなご縁があって、軽井沢町(の南ヶ丘別荘地)に土地を取得し、「サードオフィス」を建築しています。オフィス棟には「免震建物」について説明する為のプレゼンテーションルームも設け、地下には住宅・低層建物用の実物大装置を設置しました。また、大画面で迫力ある映像と音響を体感できるハーフムーンシアターをぜひご覧いただきたいですね。(トークの苦手な私には助かるツールです…笑)
昨年夏には『選木ツアー』に皆さんでご参加いただき、選んだ木をオフィスの大黒柱に使われる予定です。
古畑社長:選木ツアーでは、実際に立っている木を選んで切らせてもらいました。大木が 『ズシッ!!』と倒れた時の震えるような音と振動がとても印象的でした。不思議なのですが、とても感動しまして、姿と場所を変え、新たな環境で見上げたいと思いました。
柄沢:皆さん同じような経験をされます。切株の年輪を数えると、だいたい樹齢60年~80年。戦後の祖父の代に植えられた木が、今こうしてわが家に使われる木材になります。
古畑社長:この経験は特別なものになりました。『軽井沢サードオフィス』とその木材に使われる木を一緒に倒したという体験自体が、会社の歴史の中にはっきりと刻まれた瞬間になったと思います。樹齢80年以上のこの立派な大木のように、しっかり企業としての年輪を刻み、発展し続けられるように研鑽しなければと感じています。
柄沢:社員さんのワークスペースだけでなく、企業様への事業紹介/新規・中途採用活動のプレゼンテーションができる多目的オフィスですね。
古畑社長:本社・横浜営業所・大阪営業所での日常業務を中心とした活動するオフィスと、軽井沢だからこそ可能な、新しい可能性を秘めた魅力的なオフィスが完成することを楽しみにしています。先ずは、20周年の創業記念と軽井沢サードオフィス開設記念式典を、夏にこの施設で行いたいと考えています。
4企業の発展に『サードオフィス』がもたらすもの
―いよいよ6月(2022年)には施設が完成します。企業の発展にサードオフィスをどのように活かしていきますか?
古畑社長:巨大地震リスクが上昇する昨今、「免震構造」は都市防災という観点から大きく貢献しています。サードオフィスを活用することで、おこがましいのですが業界を川下から「表には出ない縁の下での仕事」で貢献ができたら良いなと思いますね。
又、ここ軽井沢での交流で、新しい発想が生まれて、時代の変化の波を乗り越えていけるような強い組織づくりをしていきたいと思います。
インタビュー:柄澤忠祐
撮影/記事: 小坂篤史
ー 企業紹介 ー
株式会社免震テクノサービス
Comentarios